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本物の事業承継
人生における悲劇は、目標を達成しなかったことにあるのではない。
それは人生に目標を持たなかったことにある。
これは、アメリカの教育者であり神学者のベンジャミン・メイズの言葉です。
すべての経営者は、目標を明確に持つことで、そこに向かって全力で突っ走ってこれたのだと思います。しかし、事業承継を検討する今、全てをやり尽くし思い残すことなく引退を迎えることができる社長は、あまり多くはありません。
ほとんどの社長が、道半ばで引退を余儀なくされるのが現状です。これは、社長が描いた”おもい”が壮大すぎるからに他なりません。社長が引退を迎えるとき、その”おもい”を継承する後継者に事業を託すことができたら、社長にとって一番の幸せなのではないでしょうか。
社長勇退ドットコムでは、”社長が抱いた夢の続きを後継者に託すこと”を、本物の事業承継と考えています。そのために、社長がすべきことは、まずは、”現状把握”、そして次に、”情報伝達”です。具体的な対策は、その後でゆっくりすることをおすすめいたします。
現状把握
中小企業においては、長年の経験によって培われたノウハウや技術が、社長の頭の中だけにあるケースは少なくありません。そのため、社長が急逝した場合、これまで蓄積してきた経営ノウハウがゼロになってしまう可能性があります。
そうならないためにも、事業承継時には、社長の頭にあるものをアウトプットし、現状を把握する必要があります。これは、社長にしかできない大事な仕事です。
情報伝達
日本人には、「以心伝心」という美学があります。「心を以て、心を伝える」これは、仏教における禅の思想で、「文字や言葉を使わなくても、お互いの心と心で通じ合うこと」を意味します。特に、親族内承継の現場では、この美学を貫かれる社長が多いような気がします。
言わなくても伝われば、それに越したことはありませんが、やはり言わないと伝わらないこともたくさんあります。事業とともに、社長の”おもい”を引き継いでくれるのが、後継者です。社長が育てた事業を継続的に繁栄させるためにも、後継者に愛情をもって情報を伝達する必要があります。
答えは経営理念の中にある
何かに迷ったとき、自らの信じることのできる判断基準、すなわち経営理念に立ち返って考えることが大切です。
一見良さそうな選択肢だとしても、利害関係者の誰かが不幸せになるなら、または、誰かだけしか幸せにならないなら、「やらない」という判断をした方が社長のためです。
判断や決断に迷ったときに、その拠り所として社長を今まで支えてくれた経営理念を読み返していただきたいと思います
経営理念を思い出せば、ちゃんと道しるべになる言葉が書いてあります。その理念に従って行動すれば、納得のいくきっと事業承継になるはずです。