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- 「事業承継ねぇ。専門的だからよくわかんないなぁ、プロに任せればいいでしょ!」
- 「事業承継って、結局、相続税対策でしょ?」
- 「うち、あんまり儲かってないからなぁ・・・」
・・・と思っている、社長さん!
これらの考え方は、根本的に間違っています!
・・・というか、もはやこれらの考え方から事業承継を始めるのはオススメではありません。
あなたの大事な、そして人生をかけて築きあげてきた会社を有望な後継者に引き継ぐことが難しくなります。
これは決して脅しではありません。
正直、ちまたで言われている「事業承継」の考え方を、私は好きではありません。
何故、好きでないのかというと、ちまたの専門家は次の様な言葉を使うからです。
- 事業承継は、我々専門家にすべて任せておけば大丈夫です!!
- このままいくと相続税が、エラいことになりますよ!!
- 儲かってない事業は売れませんよ!!!
・・・申し遅れました、社長勇退ドットコム管理人の磯村です。これまで300人を超える経営者とお会いし、50社以上の事業承継M&Aのお手伝いをしてきました。
そこで、あまりにも多くの社長さんが「事業承継」の本質を間違って捉えていました。
そもそも事業承継の本質の捉え方を間違えているので、理想の事業承継などできるわけがありません。
私は、経営者の方々が「事業承継について間違った考え方」を持っていたために、
人生をかけてきた、かけがえのない会社が廃業してしまったり・・・
明らかに、意に反した人に事業を引き継いでしまったり・・・
親族同士でまさに骨肉の争いになってしまったり・・・
という話を聞くたびに、とても残念に思っていました。
逆に、「真の事業承継」の考え方を心の底から理解した経営者の方は、理想の「事業承継」をすることができました。
両者の違いはたった1つ「事業承継の本質」を知っているか、知らないかです。
私は、その「事業承継の本質」を知って欲しい、そして、かけがえのない会社を満足できるカタチで引き継いでいって欲しい、その一心でブログを書いています。
- 事業承継で失敗したくない方
- 事業承継の本質を知りたい方
- 想いを繋ぐ事業承継をしてみたい方
事業承継で成功する社長、失敗する社長
私がお会いする経営者は基本的に「事業承継」に悩んでいる方です。
初回面談のやりとりは、8割方こんな感じになります。
でも、最も大事なのは・・・
・・・・と、まぁ少し誇張しているものの・・・大筋はこんな感じです。
社長の皆さんは、経営に関してはプロです。
不思議なものですが、人生かけて経営をやってきたのに、「事業承継」となると、なぜか「人任せ」のスタンスになってしまう人がいます。
ここが「大きな間違い」です。
本当に99%の人が誤った理解をしています。
私のように事業承継のサポートをする専門家はあくまでもサポート。
実際に経営をするのは引き継ぐ人、その決断をするのは社長。
これは真実です。
「真の後継者」とは、引き継ぐ事業を心から思っている人です。
つまり、「真の後継者」とは、子供だから引き継ぐとか、高く売却したいから第三者ということではないのです。
まずは、この本質をしっかりと認識していただく必要があります。
事業承継の本質とは「相続制」とか「売却価格」などのお金ではない、ということがおわかりいただけるかと思います。
事業承継の成功をもたらすカギは、この本質の理解にかかっているのです。
事業承継をはじめる前にやるべき、2つのこと
もちろん、事業承継を進めていくうちに「税制」や「補助金」についてもしっかりと知っておくことは重要です。
しかし、それは小手先のテクニックに過ぎません。しかも、インターネットで調べれば誰でもわかることです。
ですから、
そんな小手先のテクニックよりも、社長にしかできない、重要なことを優先させてください。
それは次の2点です。
-
- 強い意志を持つこと
- 理念を見つめ直すこと
では、具体的にみていきます。
「真の事業承継」を実現させる強い意志を持つこと
まずは、「全て専門家にお任せします」などという考えは捨てて下さい。
社長が事業承継に本気を出していただかなければ、いくら事業承継の専門家でもやれることに限界があります。
そして、何といっても最後の決断は社長以外にできません。
つまり、何があっても「真の事業承継」を成し遂げるという強い意志を持つことが最初の一歩です。
時には、苦しいことと向き合うことも、思い通りにいかないこともあります。
しかし、覚悟を持って立ち向かえば、きっと乗り越えていけるはずです。
社長であるあなたは、もう何十年も会社を経営してきたと思います。
「もう、ダメかもしれない・・・」
と思ったことも1度や2度ではないはずです。
そんな時、なぜ乗り越えることができたのでしょうか。
それは「強い意志」があったからです!!
そして、何事も「強い意志」さえあれば、乗り越えられるものです。
創業したばかりの頃は、寝食を忘れてがむしゃらに働いてきたと思います。
創業も事業承継も、根本的には同じなのです。
ですから「事業承継」時にも、創業時の気持ちを思いだして欲しいのです。
会社の理念をもう一度見つめ直すこと
そもそも「価値ある会社」だからこそ「事業を承継」するわけです。
人の役に立ち、社会に貢献できる会社や事業でないと、未来に残す必要がありません。
その会社の意義や理念を深く理解し「この会社を、自分が未来に残していきたい」と思える人こそ、真の後継者です。
ただ子供に引き継ぐとか、第三者に高く売却することが「真の事業承継」ではない、理由はここにあります。
事業承継M&Aの専門家になかなか頼めない理由
事業承継の専門家と付き合うということは『覚悟を決める』大きなきっかけとなるはずです。
しかし、実際に行動に移す(つまり、専門家に依頼する)時に躊躇するケースが少なくありません。
では、なぜ、社長が行動に移すのを躊躇してしまうのか、最後にお伝えします。
私がこれまでお手伝いさせていただいてきた、社長さんたちを間近で見ていて「なかなか事業承継の専門家に頼めない理由」があります。
専門家に頼めない理由:1 プライドが邪魔をする
これまで、とても大変な苦労をされて会社を経営してきた社長さんです。
さまざまな困難を自分の力で乗り越えてきた分、プライドがあります。
そんなプライドが邪魔をして弱みは見せられない、という気持ちが湧いてくるのも当然です。
本当は事業承継でとても悩み、困っているのにプライドが邪魔をして打ち明けられないでいます。
特に、近しい後継者(家族や親族)に事業承継をお考えの場合は、素直に気持ちを打ち明けられないケースを多く見かけます。
しかし、自分自身が築き上げてきた事業を残す!!ということにプライドを持って頂ければ、近しい後継者にもキチンとお話ができるようになります
専門家に頼めない理由:2 噂が立つとお客様が逃げていくのではないか、という不安がある
「あの会社、M&Aの専門家の人が毎週来ているんだって・・・」
「もう、そろそろ社長も交代なのね・・・」
そんな噂が立つ場合もあるかもしれない、そんな不安から専門家になかなか頼めないというケースです。
もちろん、私たちは利害関係者にはわからないように極秘にプロジェクトを進めていきます。
例えば、第三者への事業承継で会社では打ち合わせしにくい場合は、会社から離れた場所にあるホテルの会議室を借りて打ち合わせを行います。
これは事業承継によって利害関係者が不安にならないようにするための、ごくごく一部の取組です。
専門家に頼まなければ・・・
いずれにせよ、社長がそんなことを心配、不安に思っているうちに「事業承継」の取り組みがどんどん遅れてしまいます。
ですから、私はどの会社のどの社長さんたちも手遅れにならないようにぜひ、「事業承継の本質の理解」そして「早い時期からの準備」をオススメしています。
そして、「真の事業承継」のためのパートナーとして、依存することもなく、共に歩むスタンスで事業承継の専門家とお付き合いしてみてください。
まずはそれが「真の事業承継」の第一歩です。
99%の経営者が間違っている!真の事業承継のまとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
事業承継の本質を理解することは、会社を次の世代に残すためにはとても重要なことです。
しかも、上手くいくか行かないかはすべて社長さんの想い次第なのです。
ということで、最後にもう一度まとめておきたいと思います。
【真の事業承継を行う上で重要なこと】
-
- 強い意志を持つ頃。→専門家に全てお任せ、という気持ちは捨てましょう。
- 会社の理念を見直すこと。→事業承継する意義を引き継ぐ人にしっかりと伝えましょう。
【事業承継のプロに頼めない理由】
-
- プライドが邪魔をする
- 噂が立つとクライアントが逃げていくのではないか、という不安がある
→事業承継は待った無し、迷っているうちにどんどん遅れてしまいます。
不安は正直に伝え、都度解消、納得して進めていきましょう。