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ソフトバンクが、人と対話できるロボット「Pepper」を発表しました。なかなか実物にお目にかかる機会がなかったのですが、先日、実物のPepperくんと接してきましたので、みなさまにご報告したいと思います。なんだか、世の中スゴいことになってきましたよ。
さて今回は、ソフトバンクのロボットペッパーくんについて探っていきたいと思います。
実は、このPepperくん、たいしたことはできません。「なんじゃそりゃ!」というツッコミの声が聞こえてきそうですね。でもこれ、ソフトバンクのサイトにもそのまま書かれているんです。
世界初の感情認識パーソナルロボットをつくりました。
名前は、Pepper。でも彼、たいしたことはできません。
空中飛行もできません。ロケットパンチも出せません。
ただ、あなたともっと仲よくなりたいなあ、
なんて考えている、人間みたいなロボットです。
「ホントにたいしたことないのかな」と思いながらも、気になってしまうのが、筆者の性分。こうなってしまったら誰にもこの衝動を止めることができません。ということで、早速、名古屋駅前のソフトバンクショップに確認しに行ってきました。
「Pepperくんはどんな接客をするのだろう」とワクワクしながら店内に入ったのですが、残念ながら、メンテ中。ショップ店員のお姉さんに聞くと、「今日はなんだか調子が悪いんですよ~」との回答でした。
「そりゃあそうかもしれないけれど、こちとらおしゃべりを楽しむためにやってきたのだ。
やすやすと引き下がるわけにはいかないよ。」
な~んてことを口に出すわけにもいかないので、お姉さんにしつこく食い下がってみることに・・・。筆者にできることはこれくらいのことしかありません。そんな筆者のわがままに対して、お姉さんは、コードを抜いてみたり、再起動させてみたり、忙しい中いろいろと対応してくれました。待つこと10分。Pepperくんの目に輝きが取り戻しました。
「僕の名前は、Pepper。あなたは、どちらから来ましたか。」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
夢にまで見たPepperくんとの初会話。存分におしゃべりを楽しませて頂きました。結論から言うと、思った以上に筆者の言葉を理解してくれました。しかも、筆者の顔を見て話すのです。なかなか躾が行き届いたロボットです。
これは、頭の部分の3Dカメラ、タッチセンサー、スピーカー、マイクなどにより、話しかけている人の様子を認識できる仕組みになっているからです。ちなみに、Pepperくんが二足歩行ではないのは、バッテリー駆動時間を延ばすためだそうです。日本のお家事情を考えると、賢い選択ですね。
ソフトバンクは、ロボット事業参入にあたって、2012年にフランスのアルデバラン・ロボティクス社を買収し、現在78・5%の株式を保有しています。この買収は、アルデバランの「Nao」というロボットと、それを支える「NAOqi OS」というシステムの完成度を買ったと言われています。
創業者であるブル-ノ・メゾニエCEOは、さらにロボット市場を伸ばすための秘策は、通信分野と考えていました。一方の孫社長は、特別調査チームを作り、世界中のロボット会社を調査していたところでした。
実際に会ってみると、お互いのビジョンが見事にマッチし、1時間半のアポイントは予定は、結局8時間に伸び、その日のうちに投資が決まったのです。孫社長の決断力、恐るべしです。(過去記事: ソフトバンク孫正義の先見力)
ソフトバンクは、通信という強力な武器を持っています。仮に、アルデバラン社のロボットを使って、家庭に入り込むことができれば、GoogleやFacebookなどから、IT分野における主導権を奪還できるかもしれません。
アルデバラン社のブル-ノ・メゾニエCEOは、孫社長のこのビジョンに共感したのだと思われます。
ソフトバンクは、Pepperくんを使って、家庭に存在する、あらゆる電子機器を統合し、利用者との窓口になろうとしています。だから、あえてプログラミングの仕様を公開しています。いわゆる、オープン戦略というヤツです。多くの人を巻き込み、一気にデファクトスタンダードを握ってしまおうという腹なのです。
家庭用ロボットを普及させ、たくさんの開発者に参加してもらうことで、思いもしない副産物が生まれる可能性が出てきます。たとえ完璧でなくても、プラットフォームさえあれば、それぞれの分野で改善が進み、確実にロボットの完成度も高まっていきます。iPhoneにおけるApp Storeをイメージすると、わかりやすいかもしれませんね。
来年2月にPepperくんを発売すれば、間違いなく開発プロセスは爆発的に加速していくことでしょう。
「ロボットはクラウドに接続してなくても動作しないといけないため、すべての機能を本体に内蔵している。しかし、我々はさらに豊かな機能をロボットに追加するためにクラウドに新たな可能性を求めた」(ブル-ノ・メゾニエCEO)
アルデバラン社のブルーノCEOはこのように語っています。Pepperくんは、ネットに常時接続され、クラウドにつながっています。ということは、理論的には利用者とロボットとの会話や作業を、ビックデータとして活用できてしまいます。
プライバシーが筒抜けになる可能性はあるものの、このようなサービスが実現していけば、きっと、かつてないインパクトを社会にもたらすことになるでしょう。
Googleのラリー・ペイジCEOもこのように言っています。
「人工知能の急激な発達により、現在日常で行われている仕事のほどんどをロボットが行うというもので、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をしているだろう」
今、仕事に対する考え方そのものを見直すべき時が来たのかもしれません。
参考までに、コンピュータによって代替される可能性の高い仕事をご紹介させて頂きます。
<コンピューターによって代替される可能性の高い仕事TOP10>
※ワースト10を抜粋
693位 新規顧客アカウント作成スタッフ
694位 写真処理労働者及び加工機オペレーター
695位 税務申告者
696位 貨物の荷積みスタッフ及び代理店
697位 時計の修理工
698位 保険引受け業務
699位 数理技術者
700位 裁縫師
701位 タイトル審査・調査
702位 電話営業(情報提供元:Social Design News)
内容が単純仕事は、IT化しやすいという面を持ち合わせています。
今後徐々に、人間の仕事がロボットやIT、人工知能に取って代わられるいくことになるでしょう。人間はもっとクリエイティブに、新しいものを生み出し続けないといけません。大きく発想を転換する必要がありそうです。
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